2011年8月11日 星期四

この夏、美術館は動物園



この夏、美術館は動物園 各地で企画展続々

写真:横須賀美術館「集まれ!おもしろどうぶつ」展 拡大横須賀美術館「集まれ!おもしろどうぶつ」展 

写真:小杉放菴記念日光美術館「美術館は動物園」展拡大小杉放菴記念日光美術館「美術館は動物園」展

写真:山種美術館「日本画どうぶつえん」展拡大山種美術館「日本画どうぶつえん」展

 動物を特集した展覧会がこの夏、続けざまに開かれている。写実画に浮世絵、木彫。多彩な仕掛けで幅広い客層を取り込もうと努める。美術館は夏休みで動物園と化したのか。

 「美術館は動物園」展。開き直りが潔くすらある名前をつけたのが、小杉放菴(ほうあん)記念日光美術館(栃木県日光市)。馬を描いた放菴の油絵から、ア ルミや段ボールを使った若手の立体作品まで。9月4日にかけて、約100点の動物たちがひしめき合う。田中正史学芸課長は「夏休みなので、羽目を外して楽 しいものをやりたかった」と話す。

 その田中課長は今年初め、4点の作品を借りようと横須賀美術館(神奈川県横須賀市)を訪れた。が、1点はあきらめた。横須賀でも「集まれ!おもしろどうぶつ」展(8月28日まで)を準備しており、予定の作品が重なったからだ。

 さらに、山種美術館(東京都渋谷区)の「日本画どうぶつえん」(9月11日まで)、はけの森美術館(東京都小金井市)の「朝倉文夫の猫たち」(9月19 日まで)、世界の民俗人形博物館(長野県須坂市)の「世界の動物人形大集合 ワールドアニマル」(10月4日まで)、中山道広重美術館(岐阜県恵那市)の 「浮世絵あにまるらんど」(8月28日まで)……。そして、お堅いイメージの京都国立博物館までも。「初の動物特集」と銘打ち、「百獣の楽園」展を開いて いる(8月28日まで)。

 動物を扱う展覧会は珍しくない。それにしても、これだけの数。いったいどういうわけか。

 まず、集客への期待が挙げられる。中高年のファンの多い山種は「子どもにも楽しんでもらえる」(高橋美奈子学芸部長)として企画。23日からは、蛾(が)が乱舞する速水御舟筆の重要文化財「炎舞」まで引っぱりだす。

 もちろん、動物の作品をただ並べるだけではない。横須賀や山種は、子ども向けの学習シートを作った。「この猫は何をしているところでしょう」などと問い、興味を引くねらいだ。京博は作品解説の位置を下げ、文字数を減らした。

 予算面の厳しさも背景にある。京博ですら「予算も人も減っている」(永島明子主任研究員)。収蔵品を中心に構成する館が多く、数多く作品が残る動物は格好のテーマだ。日光は、作品を借りるのは関東近辺にとどめ、輸送費を浮かせた。

 そうした各館の思惑が、たまたまこの夏に重なったということか。続々と開かれる動物の展覧会について、山下裕二・明治学院大学教授は「いろんな分野を横断して展示がしやすい。収蔵品の活用もいい傾向」と評価する。

 当の作家はどう思っているのか。動物の木彫が横須賀で展示されている三沢厚彦は「現代美術には難しいものが多いが、動物はとっつきやすい」。

 そう、とっつきやすい存在。それは、高尚と見られがちな美術館が望む、自らのありようでもあろう。動物の展覧会には、そうした願望も託されているのかもしれない。(新谷祐一)


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