震災被害の自然標本修復 2日から国立科学博物館で展示
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東日本大震災で大きな被害をうけた東北地方の博物館から、化石や植物標本を探し出し、修復する活動が広がっている。7月2日から東京・上野の国立科学博 物館で、企画展に合わせて、救出した自然史標本を集めた支援展示も始まる。活動を知ってもらい、被災館の支援につなげる狙いだ。
大津波で、岩手県では、陸前高田市立博物館で収蔵品15万点が水没、山田町の鯨と海の科学館では、8万点の海藻標本の大半が流出。生物標本だけで被害は13万点と見られる。
宮城県南三陸町で貴重な魚竜化石を展示していた魚竜館が津波にのまれ、宮城県や福島県でも被害が出ている。
標本救出は4月ごろから始まった。絵画や工芸品のような文化財保護法の後ろ盾がない自然史標本では、被災地周辺や全国の学芸員や研究者らの多くが手弁当で現地に入り、土砂や重油にまみれた標本を見つけ出してきた。
救出された標本は、各地の博物館に送られ、海水をかぶった標本の塩抜きや、昆虫標本の修復などが続けられている。
2日からの復興支援展示では、被災地で救出され、国立科学博物館に運ばれた標本のうち43点を展示する。「恐竜博2011」(朝日新聞社など主催)の会場内で開催。10月2日まで。(竹石涼子)
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